シクレ鯛罪 レジェンド到達

 

 

・リストと結果 ASIAランク2から

 卵パラと同様、調整を重ねてナーフ後に芽が出たデッキ。ナーフ前の戦績はver1.0(15-18), ver1.1(40-31) ,ver1.2(2-4)。さっきから勝率のいい所だけ張っているが、このように勝ち負けを繰り返した上での大勝なので、いつも勝っている訳ではないことは主張しておきたい。

 同じく奇数パラと遇シャーに遭遇しなかったので運が良かった。このトップ2を使ってる方は既にレジェンドに行っていたのかもしれない。特に奇数パラディンには勝率0%と言っても過言ではないので、パラからバクを見た瞬間爆破してもいい。

 ←追記 奇数パラよりも偶数シャーマンのほうがつらい。むしろ奇数パラには蜘蛛とマスバトがある分勝率4割はとれる。

 アグロミラーでは勝率は多少落ちるものの、コントロール殺しに強いアグロという特異なデッキなので、メタによって勝率が大きく変わると思われる。このデッキのマッチアップに関してはかなり興味深いので、下のメモにまとめた。

 

 

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・概要

 ヴォイドロードの踏み倒しによって一番被害を被ったデッキ。海賊ベースにしてスぺブレ2刺しされたデッキこそ当初は結果を出していたものの、結局アグロミラーで力負けしてしまう弱みがあったため、環境から姿を消していった。

 ガン不利だったアグパラとキューブがナーフされることによって環境が低速化。特にここまでウォロを見なくなるとは思わなかった。統計上この2クラス以外には勝率を5分以上取れているので、一番うまみを得ているデッキではないだろうか。とはいえすぐに研究が進んでウォロも巻き返すことも否めないので、使いたいならば今の内の方がいいだろう。

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  一応コボルトの発表後にも、秘策大罪で結果を出していたリストを見つけたので紹介しておきたいと思う。ドロソが恩寵も通夜も採用せずにクレクレ君だけで回るものなんだという印象はあるが、動員とミスチャレの圧縮で回れば問題はないということだろう。

 

・採用の是非

 ・死中に活の非採用

  (純型の)入れ替え候補の一つ。純型の大罪にピン刺しで試していたが、結局シクレで圧縮しにいった方が強いという結論になった。ブルーギルかマークアイに付けてボードを取りつつ大罪のバリューを上げる良いカード。しかしカルトの教祖のような限られた状況でしか活かせないカードは弱いと思う。

 ・スペルブレイカーの非採用 

  複数のコンセプトを組み合わせる場合、メタカードを入れる枠はほぼ無い。純型の大罪パラであればピン差しで入れてもいいかもしれない。

  ・オークハートの非採用

   大罪を2枚入れるのが通常ではあったが、アグロと偶数を相手にするときは1ターンでも早くミニオンを展開したいため代わりにオークハートを採用した。2枚使わないと勝てない相手は現環境ではドルイドのみである。事故要因を減らしたいのはもちろんだが、恩寵を切る際のかさばりも考えると大罪2積みとオークハートの併用は避けたかった。(ナーフ前、採用していた時の文章

  環境が遅くなったので大罪2枚目の方が優先順位が上がった。オークハートと大罪3積みもあるかもしれないが、バーンズとお互いに外れの枠を増やすことになるのは気にかかる。純型のデッキで試す価値はあるかもしれない。

  ・秘策、および見張りの構成

   当初、仇討×2救済×2にしていたが、あまりにも秘策を素引きするため3積みに減らした。それに伴い見張りをピン刺しにしたが、見張り自身を引く確率が減ったのでやっぱり戻すことに。たとえ2枚目の見張りの雄たけびが腐ったとしても、見張りで1体2枚圧縮するメリットの方が大きいと考えこの構成にした。

 ・バーンズの採用

  代わりに空いた枠に採用したのはバーンズ。このデッキにおいて完全な外れはタリムのみなのでバニラと化すことはまずない。理想的な動きは動員で2コス以下を引き絞り、戦隊長かマークアイを出して大罪のバリューを上げることだ。

 

・メモ   定期更新

 ・計算機の使用の勧め

 昔は鯛罪計算専用のホームページがあったのだが今では閉鎖されている。そのため、若干の手間はかかるものの、下記のリンクからエクセルを用いて計算した方がいい。このままだと見づらいのでこのように編集して見やすくするのを勧める。

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  特にシャーマン戦だとマロトーテムのトークンと退化から出てくるタイニーフィンまで大罪から出てきてしまう。出ないよりはマシのような状況もなくはないが、このせいでリーサルが届かないこともあるので気をつけたい。

 

 ・鯛罪暗算

 基本的に1回目の鯛罪は打点は確定していて、2回目はおおよその計算になる。1回目でリーサルに届くことも多いので覚えておいて損はない。

    全部      :23点

 ブルーギル欠損1  :16点

  戦隊長 欠損1  :16点

 マークアイ欠損1  :12点

 ※六丸なしだとそれぞれ-1点になる。

 

   ・動員から先に切るか、六丸からトレードするか

 デッキにブルーギル、戦隊長/マークアイがそれぞれ何体ずつ眠っているかで状況に応じて順序が変わる。

 デッキにマークアイと戦隊長が依然2体以上眠っている場合、六丸から出したのはブルーギルウォリアーではなくこれら2体のミニオンになる。先に動員から切ることによってブルーギル先出しの可能性が高まるので、基本的に六丸のトレードは動員後に行いたい。

 しかしこれには盤面に5体分のスペースを有するので、動員からブルーギルが出てこなかった場合に六丸でマーロックが呼べなくなることも。盤面に六丸含めミニオンが3体以上並んでいる場合、六丸で上手に自壊することが求められる。

 

 

 

 ・対シャダシャー、コンプリのマーロックの自壊

  どれだけマーロックを墓地プールに引きずり込めるかの勝負である。ブルーギルとマークアイは突撃持ちなのでトレードすればいいのだが、問題は戦隊長。コントロール型のデッキであれば火遊び平等で巻き込めたがアグロデッキの場合、カエル退化なり絶叫なりされてしまう。戦隊長を2体並べるようなことだけはしないであとは相手のハンドに回答がないことを祈ろう。

 

  ・ドルとミルロはガン有利ではない

  ドルイド戦はまず相手の究極に対して、恩寵でカウンタードローできないようであれば普通に負ける。だからといって恩寵をマリガンでキープという選択肢はないというジレンマを抱えるのは俺だけだろうか。アグパラにおいてマナ加速した上での相手の8ターン目から9ターン目に打たざるを得ない微妙な状況を何度も経験している。恩寵を最初から抱えるよりも他の圧縮カードを引きまくってトップで恩寵を引く確率を上げた方がいいと思われる。

 それから毒の種による盤面ロックで負けたことがある。大罪が打てなくなるのでドルイド側からするとこれが一番の勝ち筋ではないだろうか。ファティーグが進むのは先にこちらで、なおかつ虫害と装甲で十分に耐えられる。毒の種を簡単に切らせることがこちらの勝因の一つだと思う。

 ミルロに対しても勝ち越せてはいるが殴り殺されて死ぬことは何回か経験している。こちらは10ターン目以降にしかバーストを出せない上に、墓地プールに異物を混入されているので大したバーストは出ない。特に吸血毒を引かれるとかなりきついので、そうなる前に動員やタリムで誤魔化して押し切れるかが勝負になる。

 

 ・秘策のマリガン

  マリガンで秘策は必ずしも飛ばすものではない。先攻即バッカーニアを考えると(奇数)ローグ相手に後攻時、ミニロボとともに救済を抱えたときはキープしていい。

  ただ基本的にはミニロボや蜘蛛があるからといって救済を初手からキープするべきではない。トップから持ってきたならまだしも、マリガンで残していたならばケアされるのは当然で、更には見張りのバリューも下がるだけ。1マナミニオンにゲームエンド級に引きずり込まれるときに限っては、救済はキープという基準でいいと思う。

 

 ・注意すべき挙動

  ミニオンが盤面に6体並んでいるときに、六丸で自壊してマーロックを呼び出そうとしても1体しか出ない。効果が発動する前に六丸の体力が0以下で盤面に残り続ける。

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  呪われた蜘蛛を含めミニオンが盤面に複数体並んでいる時、AOE後の蜘蛛の中身に仇討は発動しない。一方で、同条件下において救済と同時に貼っている時は救済されたミニオンに仇討は発動する。ちなみに仇討と救済の秘策の貼る順序関係による挙動の違いはない。

  

 

 

 ・他の方のリスト

  某海外ストリーマーがこのデッキを使ってくれていたので見に行った。ジャグラーを抜いてクレクレ君、アルダー、コグハンマーを試していて戦績は負け越し。マリガンもプレイングも自分とはかなり異なっていたが癖のあるデッキなのでいたし方ないと思っているし、もちろん使って頂いてるだけでもありがたい話である。丁寧に解説してるつもりだが相変わらず俺の使うデッキは俺しか使えないのか・・?各カードに対する考えは以下の通り。

 クレクレ君:アグロミラーでかなり弱い。パラ戦では相手の恩寵の弾にもなるので良い印象はほとんどない。

 アルダー:これまでワイルドで活躍した機会がほとんどない。このカードがスタンで活躍していた理由は4/7/7とエドウィンが2試合に1試合あるような時代だからだと思う。もちろん今ではシャーマンを見るならば採用してもいいかもしれないが、3ターン目に出せる3マナではなくなるという時点で評価は低くなる。コントロール型のデッキでは全然行けると思うが、そもそもベースとなるコンパラ自体が弱いのが一番の問題ではある。

  コグハンマー:シクレ要素を入れたミニオン主体ではないデッキなので、雄たけびの能力と噛み合わない。エサゾンビや卵型のデッキであれば確実にボードに残せるムーブになるので採用の余地が出てくると思う。 

 

    環境トップ2とビッグプリに対する明確な不利 追記(6月3日)

  直近の試合において奇数パラだけでなく偶数シャーマンにも不利がついてるのがほぼ確定的になった。むしろ奇数パラよりも不利なのではないかと思う。5/5、7/7、8/8といったファッティに対する回答が平等のみに留まっており肝心のマーロックも退化等で返される。他のマッチアップも奇数パラ(4:6)、偶数シャーマン(3:7)、ビッグプリ(4:6)という現環境のティアー上位に普通に負け越している。

  やはり月末ということもあってあの日のマッチアップ運が良かったのだろうと思っている。ナーフ前にさっさとレジェンドに行きたい人たちは既にTier上位のデッキを使って登ったということ、ナーフ後環境初期なのでナーフ前と異なるデッキを使いたい人が多かったことがこのマッチを引き込んだと考える。環境初期に海賊のような縦に早いデッキが勝利をもぎ取れるように、このデッキも期間限定もののデッキといっていいだろう。このデッキの勝率を目にして多大な期待をさせて試合に望んだ方には申し訳ないと思う。

  もちろんそのトップメタを見る前提だと構築も変わってくる。もっと早い盤面に耐えられるようにバーンズを抜いてウルダマンにしていい。ただもはやこのデッキはミルローグのようなカウンター用のデッキとしては優秀といった立ち位置に留まり、ラダーで使い続けるには難しくなっただろう。これ以上の研究をしても伸びしろは少ないのでこのデッキからは手を引きたいと思う。短い間だったがいい夢を見させてくれたデッキだった。