ハンドバフパラディン【レジェンド到達】

・リストと結果 

 twitterより。

https://twitter.com/Ryla_HS/status/1192713184785784832
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・ハンドバフパラディンの概要

 絨毯の収録とグロウストーンの技術者のアッパー調整によって、ワイルドに頭角を現したミッドレンジデッキ。今環境から進化シャーマンもメタの一部になったが魔古のナーフによって環境から消えると予想される為、偶奇以外で唯一ワイルドで通用するミッドレンジという立ち位置になっている。

 同じアーキタイプである偶奇はヒロパを絡ませることによってプレイの幅が狭いのに対して、ドロー・バフ・展開or温存と多くの択から正解を導くプレイングが求められるのがこのデッキの最大の特徴である。

 また一度に多くのカードをバフしたいハンドバフの特性としてデッキのほぼ全てを低コストミニオンで占める必要があり、個々のカードパワーよりもシナジーに目を向けた構築力が求められる。特にクリスタル学とサルヘトの群れでドローできるカードの対象、枚数の制限には注意を払わなければならない。

 構築、マリガン、プレイングに求められる総合的なスキルはアグロ~ミッドレンジ帯の中ではおそらく最高難度に分類される。しかし極めればTier1に匹敵する強さになるので、頭を使って勝ちに行きたい人に勧めたいデッキとなる。

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採用理由

・絨毯を引くために

 まず基本的に対アグロ、ミッドにおいては5ターン目辺りまでに絨毯を引かなければ勝てないという認識を持つことから始まる。ハンドバフパラディンは最序盤は絶対に盤面をとられるため、中盤で絨毯を生存させつつ巻き返しを狙う展開になると思っていい。その為に絨毯を直接引きに行くだけでなく、クリスタル学からほぼ確定で絨毯を引けるように調整する必要がある。つまり攻撃力:1のミニオンは極力入れたくないのだ。
 

・グレイシャルシャード

  現環境の3トップのそれぞれに刺さるカード。メイジが終盤にとってくる複製を張った状態でのフェイスプランを阻止、チョッキンのAOE後の素投げした低コスメカを足止めさせてOTKを防ぐ、メカパラの超電磁しまくったミニオンを止められるのであらゆる場面で活躍できる。ただ基本的には絨毯と同時に出して次のターンまで生き残らせるのが仕事になる。

・甲板員

 おてぃかさんが最初に使い始めた対コントロールデッキのリーサル要員。バフされたリロイと甲板員を組み合わせることによって6マナ前後で15点程のバーストを叩き出せる。

 ・サーフィンレー

 相手のクラスと自分のハンドに応じてどのヒロパがベストなのか判断が問われる。甲板員を採用しているのでローグ>メイジではあるものの、相手が遅いデッキであればウォロを優先してデッキ内の武器を引きに行くのが合理的だと考えられる。先攻時は盤面を支配することが多いのでリソースの確保のためにウォロ、後攻時は巻き返しを狙うのでローグメイジを選択するという展開を予想しながら選択する要素もある。

・オオジガバチ

 体力1という弱点は抱えているものの、カード1枚でクロック7点(3̟+2+2)を生み出す強カード。当初はヒロパでとられる寒いイメージしかなったが、実際にはヒロパを使わせてテンポロスを強要させるのが上手く働いていた。トークンと絨毯と合わせて環境に多い体力3のミニオンをとれるのもグッド。

・サルヘトの群れ

 リーサルセット御用達カード。甲板員とシルブレをここから持ってきてから本格的にハンドバフを開始、バーストダメージでリーサルを狙うという一連の流れを生み出す。恩寵と違って対アグロでも最低限の2枚ドローが確保されているのがポイント。

・魔法の絨毯

 ハンドバフの最大の欠点だったテンポロスをこのカード1枚で補っている革新的なカード。クリスタル学と三下集合とのシナジーの高さ、常在型にして異様な体力偏重スタッツである為にクラス専用のレジェンダリーカードでもおかしくない強さである。ただ逆に言うとこのカードがすぐに倒されるとピンチに陥るので、出すタイミングの見極めが重要になる。
 
・回廊漁り蟲

 偶奇メタカード。盤面を無視したメイジウォロが多い時には弱いが、トークンが多いこのデッキには基本的に相性の良いカードである。このデッキだとグレシャーとケザンの3枚が環境に対するテック枠なので、メタを読んでこの枠を調整していきたい。


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マッチアップ

  ランク帯でよく見る秘策メイジを含め多くのアグロデッキに有利がとれる。絨毯を有徳とグレシャーで守りながら有利トレードの循環を作れば、自ずと勝ちに近づくと言っていい。対コントロールデッキでも甲板員とリロイにバフを乗せて、シルブレかケザンを脇に添えれば大体負けない。

 明確に不利なのは進化シャーマン。こちらの横並びが魔古と漁り蟲のコストをアシストする上に、退化も1点AOEも刺さるので厳しいマッチになる。ただ環境にそこまで多くない上に魔古のナーフが決まっているので気に留める必要はない。

 それから体力1のミニオンが不利トレードの要因になっている為に、遇シャと奇パラに不利になっている。以前のケレセス&メック型(&漁り蟲)では退化と横並びに強い防御的なデッキだったのに対し、このデッキは終盤には盤面を無視してフェイスに火力を割く攻撃的なデッキに比較される。型を使い分けることによってメタに柔軟に対応できるのがこのデッキの強みとも言える。

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戦績

 試合再生は新しいタブから倍速推奨。

ウォリアーは環境にいないので省略。ハンターの二つのデッキはそれぞれメックパラとレノロックのおよそ下位互換のような立ち位置なので同様に省略。

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その他

・マリガン

 要点だけまとめる。

 従来ではキープしていた三下集合はキープしない。アグロとOTKが強いワイルドにおいては序盤のテンポロスは致命的であり、同様のドロー効果を持つサルヘトを出した方が盤面に圧力をかけられるから。

 同様に三下集合とセットでキープしていた運び屋の走りもキープしない。スタッツが1/(2以上)のミニオンが多いデッキだとトレードにおいて+1/+1の効果は高いが、このデッキだとアタック偏重のミニオンが多いので、
少々のバフをかけた位でも簡単に倒されてしまう。

 仁義なき地回りはクリスタル学がハンドにある場合においてはキープする。採用理由にも書いたようにクリスタル学から絨毯を引きに行く確率を高めるには、アタック1のミニオンを初手からハンドに抱えている必要があるから。

 盤面で全く勝負しないプリースト戦においてのみ絨毯はキープしない。ジガバチとサルヘトで序盤からプッシュしたいから。


・どのドローカードから切るか

 ハースストーンの長い歴史の中で最も多くのドローカードを投入したデッキだと思われる。仁義なき地回りの効果が発動することを踏まえるとデッキ内に16枚のドロー分、全て発動したと仮定するとデッキ内の半分以上を引こうとする特異なデッキである。

 ただし1コストミニオンのドローのサーチ先が被っていることに注意しなければならない。発動順の理想では三下集合⇒クリスタル学orサルヘトの順であり、サーチ先をずらして最大限のドローを狙っていきたい。しかし実戦においては三下集合は序盤のテンポロスであり、切る順番はサルヘト⇒三下集合の順になることが多い。ただサルヘトの効果は断末魔であり、相手もすぐに倒したくないカードなので結果的に理想的な発動順になる。特に対アグロ、OTKのような早い相手には、盤面展開がドローとバフに優先されることは注意したい。
 
 蛇足かもしれないが断末魔の発動順も考慮すること。サルヘトの群れと地回りを同じターンに出す場合はサルヘト⇒地回りの順に出すことによって、最大限のドローができる。


・統計
 
 今回も多くのリツイートのおかげで統計出ました。ありがとうございます。
 10/16~11/16の間における390試合数、およそ1/4が自分。少し難しいマリガンのデッキなので下の図が気になるが、残念ながらそのほとんどがサンプル不足という事で怪しい数値になっている。(!マークは不正確の可能性がある数値)
 疑問に思ったのが運び屋の走りをキープ時の方が勝率が高いこと。個人的にはほとんどキープした事がないのでどういう条件下で望ましいキープになるのかが気になるところ。逆にオオジガバチが勝率を低くしているのには驚きであるが、おそらく初手からコインを切って出す試合でそうしなかったのが原因だと予想している。

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勝率
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マリガン(19/7/16)